【第5話】大嫌いな父と、男性を許せなかった人生の棚卸し。

りんのSTORY第５話です。

夫婦関係崩壊の危機から、
アロマ、心理学、スピリチュアルなどに出会い、
私は人生の棚卸しをすることになります。

恥ずかしながらそれまでの私は超現実的で、
４０歳手前にして初めて精神世界を知ったのでした。

夫婦関係の危機は、私をあるべき方へ導き、
私の生き方を変えるために起こったのだと今はわかります。

そういうことでも起こらないと、
私は何も気づかないまま生き方を変えなかったのだと思う。
※ちなみに夫婦関係でどんなことが起こったのかを
知りたい方は私に直接会ってきいてください笑笑

なぜこんな私になったのか
自分の人生をふりかえり棚卸しするために
いろんな情報を貪るようにとりにいき
またセラピストの力をたくさん借りました。

その中で見えてきた私の人生の大きなテーマ。
それは「男性への許し」。
それはつまり「自分への許し」。

許しって実は
人を許すことではなくて
自分を許すこと。

他人という存在は
自分を映し出す鏡でしかないのです。

私は父が大嫌いでした。
父は家でよく怒鳴っていて
母はあきらめたように黙って従うだけ。

私たちが大きくなってくると
母は私たちに父の愚痴をこぼすようになります。
表面上は父に従っているけれど
父を批判し、馬鹿にし、怒りをためる母。

子供って母親を救いたいと思うものなので
私はずっと「母はかわいそう」「父は悪者」
と信じてきました。

いつのまにか私は父が大嫌いになり
父とまともに会話もしない年月が
３０年くらい流れます。

父の愚痴をこぼす母をなんとか救いたくて
中学生の私は真剣に母に話しました。
「私が新聞配達をして働くから父と離婚すればいい」

でも何度真剣に話しても母の答えは同じ。
「私はもう働いたりできないから・・」

専業主婦が長くて今さら外で働けないというのです。
中学生の私は母親を救えない無力感に苦しみました。

今は母はあれでも幸せだったとわかるし、
ただ愚痴をいっていただけで、
離婚したいとまでは思っていなかったこともわかるけど

小・中学生の私は、父の愚痴ばかりいうのに
自分で人生を切り開いていこうとしない母に
絶望しいら立ちすら覚えました。

そして私はこのとき強い考えを持ちます。

女性は働かなければ離婚すらできないんだ。
だから女性でもどんな人生も選択できるように
いざとなったら離婚しても
子供2～3人食べさせていけるように
男性と同じくらい頑張って稼がなきゃいけない。

女性として無力にみえた母の在り方をみて作られた私の強いビリーフ（思い込み）。
そこに、人生見返してやる根性や罪悪感が重なって、
大人になった時にがむしゃらに仕事をしていたのです。

でもネガティブエネルギーが原動力のがんばりは、いろんなところにひずみを生み
最後、旦那という最も愛すべき男性を憎むことでもうどうにもいかなくなり
1つ1つ人生の棚卸しをしながら自分と向き合う日々が続いたのでした。

人生の棚卸しをすることで気づいた、
私のマインドに影響を与えた「許せない男性たち」。

母を苦しめる大嫌いな父。
6歳のころ公園で私にいたずらをした見知らぬ男。
中学のころ私をいじめた男たち。
私に嫌な思いをさせた夫。

でも自分の内側をよく見つめたら
悲しみがたくさん出てきたのです。

それはほんとうに
深く大きな悲しみでしかありませんでした。

なぜ私は母を幸せにできなかったの
なぜ私は見知らぬ男に従ったの
なぜ私はいじめに「やめて」を言わなかったの
なぜ私は夫の心を離れさせてしまったの

自分で自分を責めつづけ
自分を罰しつづけた数十年間。

だから
許そうと思ったのです。

母を幸せにできなかった無力なわたしを。
見知らぬ男に抵抗しなかった無知なわたしを。
いじめにやめてを言えなかった勇気がないわたしを。
夫の心が離れるに至らせたみじめなわたしを。
そして罪人である小さかったわたしを。

小さい頃からのすべてのわたしを許すことで、
許せなかった男性たちを自分の中から手放していきました。

そしてもちろん私も
加害者であったことが
数え切れないほどあります。

その自分を責めることもやめました。
人は被害者だけで生きているなんてありえないのです。

人を非難し責めている人は、自分を責めている人。
だから私はまず先に、自分を責めることをやめた。

人を許さず責め続けて生きていくことが、
もう心底しんどかったのです。

痛みは確実に軽くなったけど、まだ少しあります。
そして痛みを抱えたままの私も許そうと思います。
傷を残したままの私も抱きしめようと思う。
わたしを救えるのはわたししかいないのだから。

第6話へつづく。